テント倉庫を徹底解説(種類、価格、建築確認申請、耐用年数など)

今回は、テント倉庫の種類やメリット・デメリットなどテント倉庫導入のポイントをまとめました!

 

1.今更聞けないテント倉庫導入にあたって
1-(1)テント倉庫とは?
1-(2)テント倉庫のメリット&デメリット
1-(3)テント倉庫を安く建てる方法
1-(4)テント倉庫は建築物?申請が必要なケース
1-(5)テント建物の修理・張替

 

2.テント倉庫の耐用年数
2-(1)耐用年数の決定要因
2-(2)テント倉庫の状態チェック項目
2-(3)メンテナンスと補修

 

3.テント倉庫の種類
3-(1)テント倉庫(シートハウス)
3-(2)上屋テント(荷捌き用テント)
3-(3)可動式テント
3-(4)オプションの種類

 

4.テント倉庫の価格
4-(1)価格を決めるときに注意するポイント

 

5.よくある質問

 

1.今更聞けないテント倉庫導入にあたって

 

1ー(1) テント倉庫とは?

 

「テント倉庫」には法律で形状や大きさ、用途に決まりがあります。
テント倉庫は用途が倉庫に限られており、中で組み立てなどの作業をする作業場や
工場の様に使う場合は法律上「テント倉庫」ではなくなってしまいます。
常時人がいることが想定されるとその人たちの安全を確保しなければならないので、
建物の強度や換気・採光などの環境を高めたり、火災時の避難を考えた
作り方にする必要があるのです。
逆に言うと「テント倉庫」は用途や形状、規模を限定することで必要なだけの設計に絞ることができ、
安く建てることができるのです。

 

1-(2) テント倉庫のメリット&デメリット

テント倉庫には色々なメリットがありますが、デメリットもあります。
具体的な用途、施工期間、使用年数などよく考えて最適なものを建てることが大切です。

 

メリット

・シンプルな構造のため、短工期・低コストで仕上げられる。
・骨組みをある程度自由に組むことができ、ひし形や三角形等の敷地でも建築が可能。
・軟弱地盤であっても杭工事は不要。建物自体の総重量が軽いため、直接基礎が建てられる。
(他の工法だと杭工事を行わなければならない)
・室内の明るさ。日中は照明が不要なほど明るく、ランニングコストを抑えられる。
・温室効果で庫内が温かいため、冬場の電気代を節約できる。
・解体や増設が容易にできる。
・小規模の修繕は簡単にできる。(膜の破れはシールを貼るだけでOK)
・比較的短期間で建築確認申請や手続きができる。

 

デメリット

・構造上熱がこもりやすく、庫内の空気を外に逃がす換気・空調システムの導入は必須。
・温度変化に弱い精密機器や危険物などの保管品には向いていない。
・膜材は、立地や周辺環境、自然環境、紫外線照射時間などの違いで劣化状況が生じる。
・防犯性の低さ。壁面に鋼板等を採用したタイプであれば防犯性を上げることは可能。

 

1-(3) テント倉庫を安く建てる方法

テント倉庫には基準があり、その範囲内で計画すれば経済設計で建てることができます。

 

用途:倉庫
規模:1000㎡・階数:1階・軒の高さ:5m以下・間口:30m以下
屋根と壁(すべての側面)があること。
屋根の形状:切妻(山型)、片流れ、円弧
構造:鉄骨造の骨組+膜材料

 

上記の条件を満たしており、かつ延べ面積が200㎡以下であり張り間(間口)が8m以下であれば、
構造計算を要せずそのコストをカットできます。

また、建てる場所もコストの面で重要です。
敷地に余裕があれば今建っている建物や土地の境界線から距離を離して計画をしましょう。
具体的にはテント倉庫は平屋が前提ですから隣りの土地との境界線から3m、
接する道路の中心線から3m、同じ土地の中にある建物から6m(相手が2階建て以上であれば10m)以上離すことです。
この範囲内は「延焼のおそれのある部分」であるため火の粉に強いもので造る必要があり、
不燃認定をとった生地を使用しなければなりません。
この材料は通常の防炎生地と比べ高価なので金額が一気に上がることになります。

 

1-(4)テント倉庫は建築物?申請が必要なケース

建築物の確認申請とは、一定規模の建築物を建築する場合に各管轄地区の建築主事に
申請書を提出して建築基準関係の規定に適合しているかの確認を受け、確認済証の交付を受けることです。
建築物とは建築基準法において
「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」(法第2条の2)と規定してあります。
テントも屋根と柱(壁)があって地面に立っているので「建築物」になります。したがって確認申請をする必要があるのです。

 

確認申請をしなくてもよい場合もあります。

一つは防火地域及び準防火地域以外の場所で床面積の合計が10㎡以内の増築、改築、移転をする場合です。
例えば、すでに建物が建っている敷地内に9㎡の自転車置き場や物置を作るといった場合は申請が免除されます。

二つ目は役所がそのものを「建築物」として取り扱わない場合です。
キャンプテントや運動会用のテント、巻上式テント等のように一時的な使用を目的として
簡単に撤去や生地の取り外しができる小規模なものです。
但し、個別の案件ごとに状況も異なるので管轄の建築主事と事前に相談しておくことが重要です。

確認申請の手続きを正しく行わずに建築してしまうと「違反建築物」となってしまい、是正や撤去などの行政命令を受けます。
将来、事務所棟や工場・倉庫等大がかりな増築や改修を行う際に違反建築物があると
確認申請を受け付けてくれないことにもなるので注意が必要です。

 

1-(5)テント建物の修理・張替

 

一般的なテント倉庫の場合、耐用年数は概ね15~20年程度と言われているため、10年を目安に張替をするのがお勧めです。

修理の原因で最も多いのが「生地の破れ」についてです。原因として劣化によるものと追突や接触などの事故によるものがあります。
後者の場合の修理方法としては破損範囲が小さければ補修用のテープを使って修理することができます。
補修用テープはテント生地に接着剤が塗布してあり、粘着テープ状になっているので、
お客様自身でも貼り付けるだけで簡単に修理することができます。
但し、生地自体が劣化している場合は補修テープの接着強度がでないのでこの方法は向きません。
貼った部分がすぐにはがれてしまう危険性があります。

 

2.テント倉庫の耐用年数

 

2-(1) 耐用年数の決定要因

 

テント倉庫の実際の耐用年数を決定付けるのは、主に『立地・気象条件』と『資材』です。

たとえば、テント倉庫を構成するテント地(膜材)は、紫外線によって少しずつ劣化が進みます。
これには日照時間が大きく影響し、紫外線に晒される時間が長いほど、膜材の劣化が早くなります。
日当たりが良く日差しの強い立地では、テント倉庫の耐用年数は比較的短くなる傾向にあります。

また、膜材や鉄骨は海辺の潮風の影響も受けます。海風の吹き付ける沿岸部であれば同じく膜材の劣化は進んで耐用年数は縮まります。

さらに、地盤の良し悪しによっても資材への影響の程度は異なります。
立地によってテント倉庫の仕様や資材などにおける最適な条件が異なるため、専門の事業者に相談することで
当該地における耐用年数を延ばすことができます。

 

資材に関しては、一般的なテント倉庫は、主に『鉄骨フレーム』と『テント地(膜材)』によって構成されています。

鉄骨フレームはおよそ30年~40年、テント地(膜材)はおよそ10年~15年が交換・修理の目安とされています。
しかし近年では研究開発が進み、フレームに用いる鉄骨や膜材などにも新たな素材が生まれ、より長い耐用年数が実現され始めています。

耐用年数はコストと直結する重要な要素であるため、テント倉庫を検討する際は、
きちんとテント倉庫メーカー・事業者に相談して、最適な資材・商品を提案してもらうことが大切です。

 

2-(2)テント倉庫の状態チェック項目

 

立地・資材によって異なる耐用年数も、適切なメンテナンスがなければ最大化することはできません。
テント倉庫の劣化のサインを早期に発見し、必要な修繕・メンテナンスをこまめに実施することが、なによりも耐用年数を延ばすことにつながります。

 

次に、テント倉庫の劣化のサインを見つけるための状態チェックの項目を紹介します。

テント倉庫の状態を知るためのチェック項目は大きく「骨組」「テント」「引戸」の三つがあります。

【1】骨組み

骨組が曲がったり変形している場所はないか、普段からチェックしておきます。接合部や脚元のボルト、ブレース類のゆるみがないか定期的に点検が必要です。

【2】テント

テントに擦り切れや破れ箇所がないか、もしくは穴が空いてはいないか、日ごろから注意します。
破損部分から雨漏りしたり、虫やネズミが入り込む被害に繋がります。テントと鉄骨を固定しているベルトやロープについても破損していないか確認すると良いでしょう。

【3】引き戸

テント倉庫の出入り口である引戸は、開閉動作が重くなったり、扉やレールにひずみや外れがないか、もしくは取付けビスの緩みがないかを見るようにしましょう。
そしてもし、これらの劣化が見つかった場合は速やかにメーカーの担当者に対応を依頼することが大切です。

 

2-(3)メンテナンスと補修

 

テント倉庫の耐用年数を伸ばす方法は定期的なメンテナンスと補修に他なりません。
テント倉庫の状態チェックで異常が発見された際はもちろんですが、劣化が認められた早い段階からメンテナンスすることが何よりも大切です。

特にテントの張替えは重要です。テント膜が劣化するとそこから入った雨水でフレームとなっている鉄骨までダメージを受けることになり、
トータルの修理費用が割高になってしまうということもあります。

 

3.テント倉庫の種類

 

3-(1)テント倉庫(シートハウス)

 

鉄の骨組みに生地を被せた構造になっている建物です。四方が閉鎖型になっているのが特徴です。

テント倉庫は建物に分類されるため「建築確認申請」が必須となります。

 

3-(2)上屋テント(荷捌き用テント)

 

テントで造られた建物のうち壁のすべて又はいずれかが開放になっている物を指します。
法的には「平成14年国土交通省告示第666号膜構造の建築物の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件」で規定されています。

構造は鉄骨造の骨組みに膜材料(シート)を張ったものです。
屋根材・外壁材が薄い膜材料ですので他の建築材料に比べ格段に軽量という特徴があります。
そのためそれを支える構造も軽量にでき、大きな空間を柱無しで造ることができます。

上屋テントは建物に分類されるため「建築確認申請」が必須となります。

 

3-(3)可動式テント

 

可動式テントとはレールの軌道上をテントがスライドしアコーディオンのように伸縮することができるテントです。
テントが伸び縮みするので、使用しない時はたたんで小さくしておき、使用するときは伸ばして使うことができ敷地スペースをフレキシブルに使うことができます。

 

3-(4)オプションの種類

 

テント倉庫の設置には、様々なオプションを付けることが可能です。

例えば、扉の設計では引き戸だけでなくカーテンタイプ・アルミドア・軽量シャッターを選択することもできます。
また、自然式/電動式の換気扇を選択できたり、燃え抜けや結露を防止するための内膜を設置することも可能です。

 

4.テント倉庫の価格

 

4-(1)価格を決めるときに注意するポイント

 

見積選定や価格決定で注意しなければならないのは、テント倉庫本体の大きさに伴う変動幅です。
また、テント倉庫の本体価格だけではなく、設置に伴う諸経費についてもキチンと確認しておく必要があります。
さらにランニングコストについても留意しなければなりません。

テント倉庫のランニングコストについて考える場合に重要なのは耐久性や耐用年数です。
一般的なテント倉庫膜材は10年、樹脂量の厚い膜やガラス繊維を使用した「高耐膜」と呼ばれるものでも15年ほどの利用期間となります。

 

5.よくある質問

 

5-(1)建築物としての申請

Q.テントは建築物として扱われますか?

A.一般建築物同様、建築基準法・消防法に基づく申請が必要になります。

(各行政の条例の考慮が必要になる場合があります。)

 

5-(2)大きさについて

Q1.テント倉庫はどのくらいの大きさまで対応可能ですか?

A1.国土交通省告示第667号(テント倉庫基準)に適合する建築物となります。
開口30m・軒高5m・総面積1000㎡までの中で自由にアレンジ可能です。※用途はあくまで「倉庫」限定となります。

 

Q2.倉庫用途以外や床面積1000㎡以上等の規模で計画する場合対応可能ですか?

A2.国土交通省告示第666号(膜構造建築物)に適合する建築物となります。用途は倉庫から工場・作業場・店舗・スポーツ施設等にご使用いただけます。規模につきましては用途により異なります。詳しくはフローチャートをご確認下さい。閉鎖型は最大3000㎡まで可能です。

 

5-(3)営業用利用について

Q.営業倉庫でも対応可能ですか?

A.第1類営業倉庫にも対応可能です。

準耐火仕様テント倉庫 及び 弊社製品「ハイブリッドテント倉庫」にて対応致します。

 

5-(4)温度管理について

Q1.夏の倉庫内は暑くなりませんか?

A1.屋根膜にホワイト系の酸化チタン膜材を選んでいただけば、光の反射率が高く、熱エネルギーを持ちにくいため庫内温度の上昇を軽減します。

また内張や換気扇との併用で外気温度と同程度にすることは可能です。

庫内での作業にはシーリングファンが効果的に体感温度を下げます。

 

Q2.保管物の温度管理は可能ですか?

A2.断熱内張膜と空調機を組み合わせた「C&W」という保冷定温テント倉庫で対応できます。

 

5-(5)耐震性・安全性について

Q1.耐震性はありますか?

A1.テント倉庫は国土交通省告示の技術基準を満たした上で、在来建築よりも軽量な構造を実現しています。
横揺れや縦揺れに建物自体が追随しますので圧倒的な耐震性を持っています。
実際、阪神淡路大震災や東日本大震災の際には、基礎の浮き上がりなどはありましたが、倒壊被害の発生記録はありません。

 

Q2.多雪地域や強風地域でも大丈夫ですか?

A2. 地域毎に法的に定められた風荷重及び積雪荷重の基準に合致した設計を行っております。

 

Q3.台風の時、テント倉庫は壊れませんか?

A3.設計風速の基準値内の強風であれば壊れることはありませんが、飛来物による破損の恐れがあります。
また防炎2級品膜材の場合、老朽化した生地(10年前後)ですと、設計風速の基準値内の強風でも破損する恐れがあります。

 

5-(6)納期について

Q.発注してから納期はどのくらいですか?

A.設置するテント倉庫の設計や大きさ等にもよりますが、3か月程度です。

 

5-(7)レンタル・リース・中古について

Q.テント倉庫のレンタル・リースはありますか?

A.対応可能です。

 

5-(8)固定資産税・登記など法律上の手続きについて

Q1.テント倉庫は固定資産税はかかりますか?

A1.建築物に該当するので、固定資産税がかかります。

 

Q2.テント倉庫は登記はできますか?

A2.できます。その際は、弊社から工事完了引渡証明書を発行いたします。

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