エア漏れ対策の必要性
工場の生産現場において、配管や機器の接続部などから空気が漏れてしまう「エア漏れ」は、多くの工場で発生している問題です。エア漏れとは、工場や設備で使用される圧縮空気が、配管や接続部、バルブなどから意図せず漏れ出している状態を指します。一般的に工場のエア漏れは空気使用量の10~20%といわれており、エア漏れを放置するとエネルギーの無駄が生じるだけでなく、コンプレッサーの負担増加や生産効率の低下や品質不良、さらには重大な事故に繋がる可能性もあります。
エア漏れは、目視では確認しにくい微細な隙間から発生することも多く、放置すると被害が拡大していきます。そのため、定期的なエア漏れ診断を行い、早期に発見・対処することが重要となります。
エア漏れが起こる場所とは
エア漏れは、様々な場所で発生する可能性があります。特に注意すべき箇所は以下の通りです。
・エア工具: ドリル、グラインダー、インパクトレンチなど、圧縮空気で駆動する工具からエア漏れが発生することがあります。
・空気圧縮機: コンプレッサから供給された圧縮空気をさらに高圧にする機器からエア漏れが起こります。
・真空ポンプ: 圧縮空気を使って真空状態を作り出す機器からエア漏れが起こります。
・霧吹きなどの噴霧器: 圧縮空気を使って塗料などを噴霧する機器からエア漏れが起こります。
・配管の接続部: 配管同士の接続部や、配管と機器の接続部には、パッキンや継手などが使用されています。これらの劣化や摩耗によって隙間が生じ、エア漏れが発生することがあります。
・バルブ: パッキンの劣化やステムの摩耗などにより、バルブからエア漏れが発生することがあります。
・ホース: エア工具などに使用されるホースは、経年劣化や外部からの衝撃によって破損し、エア漏れが発生することがあります。
・エアシリンダー: パッキンの劣化やシリンダー本体の損傷によって、エアシリンダーからエア漏れが発生することがあります。
・フィルター: 圧縮空気中に含まれる水分やゴミを取り除くフィルターは、フィルターエレメントの破損やハウジングの劣化によってエア漏れが発生することがあります。
エア漏れによる問題
エア漏れを放置すると、様々な問題を引き起こします。工場内で特に注意すべき点は以下の通りです。
・エネルギーコストの増加: エア漏れは、コンプレッサを必要以上に稼働させることに繋がるため、電力消費量が増加し、エネルギーコストの増加に繋がります。
・生産性の低下: エア漏れによって圧縮空気の圧力が低下すると、エア工具の動作不良や生産ラインの停止を引き起こし、生産性の低下に繋がります。
・品質不良: 圧縮空気の圧力変動は、製品の品質不良や歩留まりの低下に繋がる可能性があります。
・設備の故障: エア漏れによってコンプレッサーに過剰な負荷がかかり、故障や寿命の短縮に繋がります。
・安全性の低下: 大規模なエア漏れは、騒音や飛散物の発生、さらには爆発などの重大な事故に繋がる可能性があります。
エア漏れ補修のための確認方法
エア漏れを発見するためには、以下の方法が有効です。
・目視: 配管や機器の接続部などを目視で確認し、エア漏れがないかを確認します。
・聴覚: エア漏れは、「シュー」といった音を発生させるため、耳を澄ませて確認します。
・触覚: エア漏れ箇所では、空気の流れを感じることができます。手で触れて確認したり、石鹸水を吹きかけて泡の発生を確認したりする方法があります。
・エア漏れ診断・検知器: 超音波などを利用したエア漏れ検知器を使用することで、目視では確認できない微細なエア漏れも発見することができます。
エア漏れの具体的対策
エア漏れを防止・補修するためには、以下の対策を講じることが重要です。
・定期的な点検: 配管や機器の接続部、バルブ、ホースなどを定期的に点検し、エア漏れがないかを確認します。
・適切な部品の選定: 配管や機器の接続部には、適切なパッキンや継手などを使用し、エア漏れを防止します。
・適切な締め付け: 配管や機器の接続部は、適切なトルクで締め付け、エア漏れを防止します。
・早期の修理: エア漏れを発見した場合は、速やかに修理を行い、被害の拡大を防止します。
・エア漏れ診断サービスの活用: 専門業者によるエア漏れ診断サービスを利用することで、より精度の高いエア漏れ診断を行い、効果的な対策を講じることができます。
当社のエア漏れ診断事例
エア漏れ診断によりバルブからのエア漏れを検知した事例
・工場の広さ:820㎡
・年間稼働時間:2,000時間/年
・1時間あたりの電気使用料金: 26.9/kWh
■検知結果
・漏れ箇所:39箇所
・漏れ量:410L/min
・年間損失金額:23.4万円
当社では、このようにお客様のエネルギーコスト削減や生産性向上に貢献してきました。
当社のエア漏れ診断サービス
当社は、工場のエア漏れ問題を解決するための、専門的なエア漏れ診断を行っています。
省エネ、コスト削減等を課題にしている場合や、エア漏れが発生していることは把握しているけれど、場所が特定できないことなど、多くのお悩みをいただきます。当社のエア漏れ診断サービスにより、お客様の工場のエネルギー効率向上、コスト削減、生産性向上に貢献いたします。
当社のエア漏れ診断サービスの特徴
1.高精度な診断
・最新の超音波検知器を使用し、人間の耳では聞こえない微細なエア漏れも正確に捉えます。
・音響画像カメラを用いて、エア漏れの発生源を視覚的に特定し、迅速な修理を可能にします。
2.総合的なご提案
・エア漏れ診断結果に基づき、お客様の工場に最適な改善策をご提案いたします。
・コンプレッサーの稼働状況や配管系統などを分析し、エネルギー効率を最大化する運用方法をアドバイスいたします。
・エア漏れ防止のための設備導入やメンテナンス計画についてもご相談に応じます。
3.充実したサポート体制
・診断結果を分かりやすい報告書にまとめ、お客様にご提出いたします。
・エア漏れ対策の実施後も、定期的なフォローアップを行い、効果の持続を支援いたします。
・お客様のニーズに合わせて、柔軟に対応いたします。
エア漏れ診断のメリット
1.エネルギーコストの削減
コンプレッサーを必要以上に稼働させると、電力消費量が増加し、エネルギーコストの増加に繋がります。エア漏れ診断で漏れ箇所を特定し修理することで、コンプレッサーの稼働効率が上がり、電力消費量を削減できます。当社では、過去の診断事例に基づいて、お客様の工場における潜在的なコスト削減額を算出することができます。
2.CO2排出量の削減
エネルギーコストの削減は、CO2排出量の削減、地球温暖化防止に貢献することができます。環境問題への意識が高まる中、企業の社会的責任を果たす上でも、エア漏れ対策は重要な取り組みです。
3.生産性の向上
エア漏れによって圧縮空気の圧力が低下すると、エア工具の動作不良や生産ラインの停止を引き起こし、生産性の低下に繋がります。エア漏れを解消することで、安定した圧縮空気を供給することができ、生産設備の効率的な稼働を促進することができます。また、エア漏れによる設備トラブルの発生頻度を減らすことで、メンテナンスにかかる時間を削減し、生産性の向上に繋げることができます。
4.コンプレッサーなどの設備長寿命化
エア漏れは、コンプレッサーに過剰な負荷をかけ、故障や寿命の短縮に繋がります。エア漏れを早期に発見し修理することで、コンプレッサーをはじめとする圧縮空気関連設備の寿命を延ばすことができます。
工場でのエア漏れ診断に関することは当社にお任せください!
保全メンテナンスの達人を運営している、株式会社丸越では、工場での省エネ・省電力の対応を実施させていただいております。エア漏れ診断サービスについて、ご検討の際は是非お問い合わせください。